HEART2016関連企画 県美界隈展vol.2少年時、Y校に集う@ ギャラリーナカノ

私の生まれ故郷の山口市のギャラリーナカノで開催される「HEART2016関連企画 県美界隈展vol.2少年時、Y校に集う」に参加します。
年代も私(1974年生まれ)だけ下で(大和潔さんが1953年生まれ、荒瀬景敏さんが1958年生まれ、山根秀信さんが1959年生まれ)、分野も陶芸の大和潔さんが参加されているなど、バラバラな4人ですがみな山口市の同じ高校の美術部卒ということでまとまりを作ってのグループ展。私からすれば山口からもかなり離れてしまった身で大先輩に混じっての参加なので恐縮しまくりの展覧会です。しかも仕事があり展示搬入には立ち会えず、申し訳ない限りなのですが…。
荒瀬さんは昔一度山口から関東に出て、Bゼミスクーリングシステムを卒業されて活躍されているペインターさんです。山口出身でもやっていける、という希望を見せてくださった方です。山根さんは山口市の中でもさらに狭いエリアで同郷のアーティストさんです。山口で作り続けながら作品を拝見する度に新しい作品になっていて、常に挑む姿に勇気をいただいています。大和さんは山口の師匠経由で20年以上前に東京での大和さんの個展の際に搬入手伝いなどで使っていただいていろいろ学ばせていただいた方です。しばらくお会い出来ていませんが、窯を継がれた息子さんに昨年出会うことができたのも嬉しい出来事でした。それぞれの作家さんたちが山口で活動を続けていらっしゃっていることによって私の好きな山口の状態が続いている、そんな認識でいます。感慨深い機会です。
小さな作品たちですが、新作を展示しています。お近くの方は是非お立ち寄り頂けますとうれしく思います。

ギャラリーナカノ
HEART2016関連企画 県美界隈展vol.2少年時、Y校に集う
出品:荒瀬景敏、末永史尚、大和潔、山根秀信
日時;2016/10/07(金) - 10/16(日) 定休日  10月12日(水)、13日(木)
会場:ギャラリーナカノ

TAMA VIVANT Ⅱ 2016 美術ーあいまいなパラダイム

多摩美術大学美術学部芸術学科の構想計画設計ゼミと展覧会設計ゼミの学生による企画展覧会TAMA VIVANTに出品します。ゼミで行う展覧会なので学生が話しあい、作家を選び、設営を行い、カタログを作っています。そう表現すると展覧会運営の経験を得るための教育的なプログラムのようにも取られがちですが、途中まで設営を見てきた出来つつある展覧会は緊張感のある、ただただ良い展覧会であったと思っています。
展示作業の立会いでも、当日会場に行くと作品の位置(高さも)も学生の話合いの中で決まっていたのですが、それがそこに決まった理由を問うときちんと答が返ってくるので、事前にしっかりと検討されている様子がうかがい知れました(決められていた位置も自分が考えそうな位置であったので私の展示のクセを読まれたような面白さがあったのですが…!)。それでも私の判断で位置をずらしたい場合があったのですが、その場合も私が思う理由を説明し担当学生の納得のもと移動させています。あるいはかれらの反応を見ながら私が判断する、という局面も多々ありましたので、本当に学生の皆さんと一緒に展覧会を作ったのだ、という実感が残っています。既発表の作品から選ぶというプロセスを経ているので旧作の出品ですが、昨年出来たばかりのアートテークの整った空間に気持ちよく作品を設置できました。
ややアクセスの悪い場所かつ旧作の出品ですが、これまでの展示とは違った見え方をしています。是非ご高覧ください。


TAMAVIVANT Ⅱ 2016 美術ーあいまいなパラダイム

主催:多摩美術大学美術学部芸術学科TAMA VIVANT Ⅱ 2016企画室
出品:末永史尚、田中和人、田中智美、田中真吾、花沢忍、山本努、和田真由子
多摩美術大学
日時;2016/9/17(sut) - 10/08(sut)
会場:多摩美術大学八王子キャンバスアートテーク・ギャラリー(東京)
パルテノン多摩
日時;2016/11/11(fri) - 11/20(sun)
会場:パルテノン多摩特別展示室(東京)


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津田道子「映像と見ることとそのまわり」@CS-LAB

東京造形大学内のCSLABにて「映像と見ることとそのまわり」と題した 津田道子さんのレクチャーを開催しました。
本年度から絵画専攻の非常勤講師として大学でまた学生と接する機会を持っているのですが、学生の中に映像を用いた作品を制作する者もおり、また自分は制作していないわけで、これは一度僕自身も詳しい人のお話をうかがってみたいと思いしかもそれならばカメラの存在に自覚的な作品の多い津田さんが適任であろうと、CSLABに企画を持ち込みました。
本レクチャーは津田さんの学生時代の作品や失敗した作品、影響を受けたアーティストなど津田道子というアーティストが形成されたプロセスを辿るようなやや特異な内容となりました。学部時の作品にはアーティスト津田の作品に繋がる要素を持った作品が散見され、作品を知っていると本当に興味深いものがありました。例えば初っ端に紹介された彼女が学部1年のときに制作した作品は一見高所からみた夜景をトリミングした写真に見えるのですが、実は東京タワーから見える一区画の住宅密集地の一戸一戸にお願いしてある時間だけ電灯を消してもらい黒い円を描こうとしたもの(!)でした。これも凄いなと思うんですが、この現実操作の感覚はやはり六甲ミーツ・アートの機にグーグルの協力を得て制作されたグーグル・ストリートビュー上の作品「Picture Scroll View」にも感じていたりします。他にもいくつも現在の作品につながるもの、そうでないものを見せてもらうことで、今の津田さんの作品に感じる厚みが膨大な試行と失敗の数々の上にあることが実感できました。それと同時に、制作した時期の話もうかがえたことで津田さんが2000年代前半の「メディアアート」の波に影響を受け、機材の変化のタイミングとアーティストの出発点が重なっていたのだ、という世代的なことが明確に理解でき、その点でも興味深いものとなりました。
これは期待していたものと異なるかもしれないのですが、ひょっとしたら僕や津田さんの世代の映像を扱うアーティストと今の学生では映像メディアへの接し方は想像以上に異なるので、同じような思考では作品で扱えないのかも知れない、そんなことを考えはじめてもいます。

日時:2016年9月21日(水) 16:50〜
登壇:津田道子
会場:CSLAB

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