本の作品

ページのあるオブジェにしたもの、で良いと思ったものはじつはまったくなかったりする。マルチプルであることと冊子であることは意味的に結びついていないようでどこか分ちがたいものがあり、1点もので大事にあつかわなくちゃいけないぶん、ただ見るのに手間のかかるオブジェになってしまうだけ。
版画を本にしたもの、はオブジェよりは可能性を感じる。井出さんの長大な版画が真っ先に思いつく。いい遊びだと思う。ただあれくらい形式との遊びがないと、よっぽどのことがない限り版画のとこだけ壁に飾りたいと思ってしまう。なんだかんだいって展覧会場での本形式の見づらさはビデオアートに時間を割かれるのが嫌なのとおなじくらいあるように思うので。