ラウル・デ・カイザー@ワコウ・ワークス〜のメモ

  • 最大でも長辺77センチの小さめの作品多数による展示。油彩画。
  • 麻キャンバスは張ってから白地塗り。
  • ほんとうに小さい作品は合板にキャンバス貼。画面面積に対しての厚みの問題か。
  • 画集を見たが、「具象」「具象から抽象」、「抽象画」を描く、「具象からはじまりつつその痕跡をかくした抽象」、の展開。
  • かたちは図をつくる線の内側と外側のせめぎ合い
  • 絵画の四辺もまた壁と絵の内側とのせめぎ合い
  • しかし面もまた、画面と垂直ベクトルで前後にせめぎ合っている。上下左右前後への張力。
  • ラウル・デ・カイザーの絵の典型的なスタイルを記述するのはむつかしいが、「ドット」の使い方の発明がポイントのような気がしている。明らかにアメリカ型の抽象画をモデルにしている絵にぽつんと点を打つことでどこか間の抜けた表情になったり、元が風景であることをにおわせつつもポイントに点を置くことでがらりと抽象化する。ポルケも似た用法を用いるけれど、基本的にポップなムードの引用であるポルケに比べて多義的で、絵を切り替えるスイッチのような面白みがある。