「マーク・ロスコ 瞑想する絵画」展見ほか

通勤ラッシュの時間に出発して、川村記念美術館で開催中の「マーク・ロスコ 瞑想する絵画」展を見に行きました。
http://kawamura-museum.dic.co.jp/exhibition/index.html
ロスコ展は1996年の東京都現代美術館以来ですね。作品の量は現美の展覧会のほうが遥かに多かったのですが、いまは、あの時見えていなかったものが見えます。
今回の展覧会のキモはテートなどのコレクションも併せた「シーグラム壁画」の展示で、展示方法もあたらしい試みがなされていました。

新しい展示のこころみ

本展では、通常の〈シーグラム壁画〉の展示とは異なる方法をとっています。これは、いずれも生前のロスコの希望を考慮したものです。まず、全作品が見上げるような高い位置に掛けられていること。もともとレストランのために描いた〈シーグラム壁画〉は、テーブルについた人の頭越しに鑑賞できるよう、床から120センチ以上高く掲げるのが好ましいと、ロスコは1961年の回顧展に際して指示を出しています。ふたつめに、作品と作品の間隔を狭めていること。これも、ロスコ自身のスケッチからヒントを得たもので、複数の絵の連なりを一枚の巨大な壁画のようにとらえることができます。

ぼくの感じ方では、ちょっと絵と絵の間は近すぎた、とおもいました。ほぼくっついたような状態でしたからね。カタログに載っているテートの展示の方は1mくらい空いていて、適切な気がします。というのは、そもそも連作とはいえ組作品としては描かれていないものですから、隣り合わせの絵との関係がむつかしくて、バランスが良くない。加えて飛び抜けて良く出来ている作品とそうでないものの差がぱっちり目についてしまっていました。どれかは書きませんが、ぼくの中では3点のクオリティが突出していて、他が目に入らないくらいで。
あとまあ、「複数の絵の連なり」にして、広い壁の真ん中に集めたら壁画というよりも一つの大きな絵だと思うんですけどね。
そんなことは思いましたが、いい作品が来ていて、必見なのは確かです。


帰りに吉祥寺、オンゴーイングの武藤亜希子さん個展にも寄り。
http://www.ongoing.jp/gallery/muto.html
一緒に展覧会をやったのは2001年でしたからもう8年前ですか。スタンスが変わらず、いい展示でした。