この世界とのつながりかた

会場:ボーダレス・アートミュージアムNO-MA(滋賀県近江八幡市永原町)http://www.no-ma.jp/
会期:2009年10月24日(土)-2010年3月7日(日) 10:00-17:00  月休(ただし祝祭日は開館、翌日閉)、年末年始12月28日-1月8日休み
入場料:一般500円/高大学生450円/中学生以下無料

出展作家:秋葉シスイ、奥村雄樹川内倫子、仲澄子、橋口浩幸、松尾吉人、松本寛庸、森田浩彰
企画:保坂健二朗(東京国立近代美術館研究員)

ネット文化の興隆。コミュニケーション・ツールの拡大。核家族化の進展。生活基盤の崩壊。ドラスティックな変化の中で、私たちは、自分が生きているはずの「この世界」とはいったいなんなのか、自信を持てなくなっています。
 そんなとき大事なのは、「内面」を英語では「inner world」と言うように、私たちの内側にも「この世界」は広がっているのだと思い出してみることです。また、見えない「この世界」と見える「この世界」の間には違いがあるけれども、どちらがより大事だとは言えないと理解することも大事でしょう。
 そしてここから次のような仮説が導き出されます――生きるということは、ふたつの「この世界」をすりあわせていくことである。
 この展覧会には、そのような営みを粛々と続けている人たちを紹介しています。年齢は17歳から92歳まで。世界的に活躍するアーティストもいれば、精神病院で暮らしている人もいます。シンプルな絵画を描く者もいれば、コンセプチュアルな作品をつくる者もいます。彼らに共通するのは、内と外の「この世界」をすりあわせるときに生じる揺らぎに対して、意識やまなざしを集中させようとしている点です。そうやって生まれた作品は、この世界を(美しさを潜めているがゆえに)積極的に肯定しようとする強さに満ち溢れていて、私たちが失いつつある自信を回復してくれるのです。