森田浩彰 「タイムクエイク」

http://www.tokyoartbeat.com/event/2010/D27B
会場:青山|目黒 http://www.aoyamahideki.com/
会期:2011年1月8日(土)-2月5日 11:00 - 20:00

今展の「タイムクエイク : TIMEQUAKE」で森田は、昨年のKABEGIWAでの個展「LOCAL EARTHQUAKE」に引き続き、地震とそれにまつわる事象を素材として扱います。災害と言う圧倒的なこの明日も想像出来ないほどに覆われた救い難い状況から悲劇や破壊や喪失を取り除いていくと何が見えるのだろうか。その彼方に露になる単純にネガティブやポジティブでは分けられない、掃き溜めに咲いた花の様な成果を丹念に紡いで行きます。

本展では24本の蛍光灯を天吊りにした立体作品を中心に、地震と言う現象そのものとその後をイベントとして捉え、インスタレーションを構成します。


成相展アフタートークの壁ぎわポッドキャストで宣伝コメントがあったのに会期に配信が間に合わなかったのでこちらで。
オープニングに行ってきたのですが、KABEGIWA(アーティストの冨井大裕くん主催の場所不定の美術企画で、このときはムサ美内の冨井スタジオを会場にしていました)の「LOCAL EARTHQUAKE」展 http://www.kabegiwa.com/06_le.html で展示されていた作品がより大規模に、より完成度をあげて展開されていました。
LOCAL EARTHQUAKEは上記リリース文にあるように、視覚的・聴覚的に地震を感じる要素ー振動する、照明や立てかけてある角材ーのみを抽出した状態を見せるという、奇妙な想像力を具現化したインスタレーションでした。言葉にしてしまうとああそうか、で済んでしまいそうですが実際会場に足を踏み入れてみると予想以上の地震感。なのに身体的には揺れを感じないので、現場にいるのにその場と切り離されて存在しているかのような、事象との変な距離感を感じる作品だったのを記憶しています。
今回は、それをさらに規模を大きくしつつ、前回あったちょっとした荒さを改良し、さらに作品間との連携をはかっています。前回と異なるのは、作品間を回遊してそれぞれの地震要素の複合を脳内で処理している間の麻痺的な感覚で、これがとんでもなく新鮮なのでした。