自主企画たるもの

齢も40目前ともなるとこれまでの自己責任な自主企画ばかりでなくもう少し広範に他人を巻き込むことになる自主企画展に実行する側とし関わることも増えてくるものですね。と、まるで向こうからなにかがやってくるばかりのように書いていますが半分以上自分で選択していることなんですよ、やっぱり。
別にアーティスト以外の人の企画する展覧会がつまらないとか、そういう話ではないんです。ぼく自身ありがたいことに展覧会に声をかけていただいてその文脈のなかに身を置くことで新しい何かが生まれる、ということを経験しているので、その意義や価値は充分に知っております。というかぼくはやや無理めの依頼や課題があったほうが燃えるタイプなものですから。
ただ(ぼくの考える)アーティストによる自主企画はそれ独自の機微というか予感に支えられるものが多いのでこれはこれで別の楽しみがあるんですよね。言葉に支えられない不安定なものの上にあるがゆえの、楽しみ。しかしこれも展覧会という形に落としこむ以上、最終的には言葉にせねばならぬので、その段階では本当に四苦八苦します。「辻褄なんて合わねえよ!」と何十回書き換えたかわからぬメモ帳アプリの立ち上がったディスプレイに叫びたくなります。本当に。
そんなわけで今年後半ですが、自主企画的なものに満ちています。まず10月はじめには昨年の「空似」に続いて上之空似、吉雄介、荒井伸佳、冨井大裕、末永史尚で「愉快」展を開催します。会場は現代ハイツです。10月後半は昨年の引込線からの派生メンバーによるグループ展です。
11月は後半に昨年かは始まった東京造形大の卒業アーティストで構成される展覧会シリーズ「CSP」の2回目を開催します。こちらは出品せず、実行委員として関わっています。
12月くらいにオープンスタジオでワカモノの展示をやりたいなと思って頭のなかでは固まっているんですが、まだ声かけていません。どうしよう。