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「APMoA Project, ARCH vol.11 末永史尚 ミュージアムピース」

愛知県美術館の展示室6にて「APMoA Project, ARCH vol.11 末永史尚 ミュージアムピース」がはじまりました。企画は学芸員の副田一穂氏です。
今回はこれまでの自作を単に持ち込むのではなく、この機会を利用してできることについて考えつつ、副田氏と打ち合わせを重ねて徐々に徐々に形作っていきました。まさにアーチの企画趣旨にある「愛知県美術館学芸員と作家との協同によって作られる展覧会」ができたのではないかと思います。私の展示に合わせて関連のある作品も展示されている常設展示との関係も含め、この場所でしか成立しない展覧会なので是非この機会にご覧いただけると嬉しいです。

http://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/arch_exhibition.html


会期:2014年8月1日[金]―9月28日[日]
会場:愛知県美術館[展示室6ほか]
開館時間:10:00―18:00 金曜日は20:00まで(入館は閉館30分前まで)
休館日:毎週月曜日(ただし9月15日[月]は開館)、9月16日(火)
企画:副田一穂(愛知県美術館学芸員
観覧料:一般500(400)円/高校・大学生300(240)円/中学生以下無料
アーティスト・トーク[作家による展示説明会]
日時:2014年9月13日[土]13:30-15:00
会場:愛知芸術文化センター12階アートスペースE・F
※申込不要、開始時刻に会場にお集まりください。

ミュージアムピース、つまり美術館の展示室を飾るきらびやかな名画たちの多くには、その大切な画面を保護するために、額縁が付けられています。わたしたちが「作品を鑑賞する」にあたって、作品をぐるりと取り囲んでいるこの枠の存在を意識することは殆どありません。絵画というものが、実際には額縁を含んだ大きさと重さを持った物体としてそこに存在しているにもかかわらず、「作品を鑑賞する」という体験からは、額縁は除外されてしまうのです。一方で額縁は、その内側にある画面に注目せよ、とわたしたちが鑑賞すべき対象を、暗に指し示してもいます。
 末永史尚(1974-)は、愛知県美術館が所蔵する名画のいくつかを、額縁を含めた大きさのキャンバスへと置き換えます。しかしそこでは、本来注目すべき名画の主題や表現は消去され、逆にこれまで目の端のほうで焦点を結べずにいた額縁が画面の内側に入り込んでいます。そして、そのことに気づいた途端に、額縁の機能は損なわれ、わたしたちは何に注目すべきなのかわからなくなってしまいます。鑑賞をめぐる視覚の秩序をこのようなかたちで転倒させながら、「絵をみる」という行為に含まれているけれども普段は意識されることのない、不安定で曖昧なわたしたちの視線の存在を、末永は本展を通じて鮮やかに提示します。