リヒター展

 


千葉県、佐倉市にある川村記念美術館の「ゲルハルト・リヒター −絵画の彼方へ−」展観る。一人では行く決心をしきれないのでI氏と。

http://www.dic.co.jp/museum/exhibition/richter/index.html



これまで日本でゲルハルト・リヒターの作品を見る機会は
同美術館での「ゲルハルト・リヒター ATLAS」展(2001年)、
国立近代美術館での「現代美術への視点 絵画、唯一なるもの」展(1995年)、
http://www.momat.go.jp/singular.html

新宿区のギャラリー、ワコウワークスオブアートでの個展(1993年〜)
http://www.wako-art.jp/main/ja.html

などがあったが、「ATLAS」展は写真中心、そのほかは10点以内の展示で、絵画作品をまとめた大規模な紹介ははじめて。


展示作品は50点超。タブロー、ガラスの作品、球の作品等、多岐にわたる制作をフォロー。初期のフォト・ペインティングも入っているのが嬉しい。展示室も2Fの大会場だけではなく、1Fのロスコルームの手前の部屋、2Fの階段前までとフル使用。リヒターであればもっと大規模な会場での展示も可能だろうけれども、1点1点をじっくり観きれてぼくにはちょうど良かった。


ポルケとの相違で考えると、初期こそ異なれど作品の展開の仕方はほんとにクール。ポルケはその瞬間瞬間の作品にその都度純粋に向き合って作っていると考えているが、リヒターは引いた位置から展開の時系列をながめて制作し、「キャリアの総体」を作品として作って楽しんでいるように思える。作品への視点は河原温に近いが、発明の楽しみは捨てていないのが異なる。