呼吸する画面


制作中。




自分は作品の「意味の深み」ではなく「表面」が制作/鑑賞のポイントなんだと思う。
学生の頃は表徴から意味を引き出し、解釈ゲームを楽しむようなヨーロッパ的な芸術鑑賞は格好よく眼に映り、それが出来ない自分にコンプレックスがあった。自学でどうにかしようと読解の詰め込みも試みたが素質のなさに抵抗できず。そもそも芸術に携わるものがいる家庭に育ったわけではなく、鑑賞よりも制作に重きをおく日本の義務教育美術で育ってしまった自分には、持ち得ぬ資質。結局は自分なりの作品の楽しみどころを「つくる」ことに開き直るしかないことに気付き、見た瞬間に判断できる「直感」をみがこう、と思うようになった。
自分の画面に関して言えば、楽しみどころは「呼吸」。描くときにうまれてくる微妙な強弱をコントロールしたり、不作為を楽しんだりしながら部分部分が心地よい振動をうむこと。作品が、呼吸をしているように。