ブック・オブ・ブックス 日本の美術 色絵磁器


先日古書店で買った


「ブック・オブ・ブックス 日本の美術 色絵磁器」(1973年)
藤岡了一著 小学館 
をぺらぺらと頁めくる。


ユニークなアイデアを多く含んだ色絵磁器が多くの色図版で紹介されており楽しい。
右上の写真の古九谷は扇面画の絵の皿であるうえに扇の曲線が皿の曲線と一致している次元の交錯した不思議な絵。
閉じた扇をアクセントにしているのがニクい。





上の写真の鍋島は抽象的な模様のバランスがおもしろい。
円形のなかに空間の広がりを限定させずにうまくパターンを配置している。


西欧のタブローに近似した屏風やふすま絵、絵巻、浮世絵などが日本の絵画史の対象と思われがちだけど、
日本における「絵」とは、陶磁器の絵付けや扇面、着物の刺繍、型染めなどもっと広範な装飾の領域と不可分なのではないかとここ数年思っている。