ただの絵

今のドットの絵でやりたかったのは、「見慣れた印刷やコミックパーツのモティーフから」という理由付けを用意しつつ、最終的には意味の見いだせないながらも視線をひきとめ続けられる感覚のかたまりをつくりあげること。
7年前の初個展の際、画廊オーナーに「これからどんな作品をつくりたいのか」と聞かれて「庭のような作品」と答えたとき考えていたものに近い。何も考えず、ただぼんやりと眺めていられる対象。押し付けられるものはなく、見るとき、見る人の状態が作用するあらわれ。全体をみても、部分を注視しても。