「プリズム:オーストラリア現代美術展」「オーストラリア現代美術の楽しみ方」

「プリズム」展は最初全く期待していなかった。
なにしろブリヂストン美術館に現代美術の展覧会の実績はなかったし、展覧会名や案内も地味。
しかし、会場に足を踏み入れてみると意外といい展覧会。講座でも逢坂さんがこの展覧会の面白い点として挙げていた、パトリシア・ピッチニーニやトレイシー・モファットなど、国際展でも名前をみかけるアーティストにフォーカスするのではなく、アボリジニのアートやそれに影響をうけたペインティングもフラットに併置してあり、またそれら作品の質も高かったため。逢坂氏によれば、オーストラリアではこんな混合された展覧会は開催できないだろうとのこと。日本で言えば日展作家と村上隆を並列するようなイメージ?
その点において企画者の作品選定に独自性が感じられた。

「オーストラリア現代美術の楽しみ方」

トーク:塩田純一 (東京都庭園美術館副館長)+逢坂恵理子 (水戸芸術館 芸術監督)+島田紀夫(ブリヂストン美術館館長)

ながれ

  1. 島田氏あいさつ
  2. 塩田氏よりオーストラリアの美術について知るためのトピックとして1940年代の、モダニズムの美術に影響を受けつつもオーストラリアの美術のアイデンティティを模索していた"Angry Pangins"という運動の紹介。またその意識は継承されている、という指摘。
  3. 逢坂氏より、水戸芸で開催したオーストラリアのアーティストと日本のアーティスト12人による展覧会「Living Together is Easy」展の紹介http://www.arttowermito.or.jp/art/livingj.html
  4. 島田氏より、ブリヂストン美術館では現代美術の展覧会ははじめてであり、展示空間も印象派以降のタブローを狭く区切ったおちついた空間でみることができるように設計された美術館のため、現代美術向きではない云々、という弁解めいた経緯説明のち、2人に感想求める。
  5. 塩田氏より、「プリズム」展の感想。アボリジニ・アートやペインティングが思いのほか良かった。ビデオ作品は会場にモニタ置きでじっくり見れないし、ピッチニーニインスタレーション展示は充分なスペースがなくちょっとつらい。
  6. 逢坂氏より、「プリズム」展感想。上記感想に加え、作品展数が多いとの指摘。「1/3減らしてもいい」
  7. 質疑応答