では現行のnodeは

ほぼ4m×4m×h3mのホワイトキューブで、間接照明にはなっていない。
天窓があるため自然光も使用できるし、蛍光灯も残した。でもやっぱり、スポットライトは付けた。
総工費のなかで実はスポットライトの占める割合は結構高い。これがなければ2/3で作れたと思う。それでもスポットライトにこだわったのは、それまで造形大の中に学外での発表をシミュレートできる場所がただの一カ所もなかったからだ。アトリエは基本的に自然光と蛍光灯。磯崎新事務所設計のアトリエは、窓からの光をフラットに取り入れることで非常にきれいな自然光が入るようにはなっていたが、ここ以外にはこんな光線の場所はない。大学は学生が展示できるスペースをまったく用意してくれず、付属マンズー美術館も壁はグレーだし吊りでしか展示できない。そんな環境だからこそ作られたnodeの役割が「閉じたスペースで展示して人にみてもらうことの練習ができること」である以上、展示する際の照明の練習ができなくては意味がない。
どいういうわけだか美術大学では展示照明の方法を教えてくれる授業は全くない。ギャラリーで初めて展示したときわかったのだが、美大を卒業しても展示の際の照明の善し悪しの基準が自分の中に形成されていないのだ。だったらせめてnodeで展示する学生には光を意識するきっかけでもつくれれば、との思いがあったのだけれど、いまはどうなっていることやら。