デザインとヴィジュアル・コミュニケーション

デザインとヴィジュアル・コミュニケーション

デザインとヴィジュアル・コミュニケーション

ハーヴァード大学・カーペンターセンターでの1967年の授業「ヴィジュアル・スタディーズ」の報告をまとめた書籍。
講義内容をまとめながら学生のリアクションを記した「ハーヴァードからの手紙」と、図版中心の講義録「ヴィジュアル・コミュニケーション」の2章からなる。
講義で使用される素材がアナログかつ時代性を感じるものであることもあり、現代でも実践応用できるデザイン論、デザイン教育論としてのリアリティは感じられない。むしろムナーリが学生とどう接していたか、ムナーリが当時何を見ていたかを感じ取るための素材として、ムナーリの作品理解にはこの上ない貴重な資料だと思う。
個人的には、マックス・ビル、エンツォ・マリやフラー他、他のデザイナーの作品につけた解説が所々にあり、ムナーリにはこんな文脈でとらえられていたのか、ということがわかって新鮮でした。