田園交響楽 平成18年度第3期収蔵品展

http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/collection.html
コンサートを聴いたあと、佐野さん夫妻、森本さん夫妻と一緒にふらりと見に行ったのだけど思いがけずいい展覧会でした。

全ての生命の源でありながら、今となっては限られた場所でしか見ることが出来ない「田園」。その景色を直接カメラに収め、あるいはそれを絵に残した作家達、師岡宏次、山口薫、熊谷守一らの作品を紹介。ノスタルジーを超えて我々に語りかける視座の源泉を探ります。

この3人の作家を「田園」というタームでまとめた企画も面白いと思うし、師岡宏次の写真も素晴らしいし、山口薫の鳥の絵も特別なクオリティを感じるのですが、なんといっても熊谷守一の作品が凄すぎ。
1955年頃の、紙に鉛筆で描かれた小さな素描を展示していたのですが、ただの線描なのにモティーフの選択の可笑しさと、僕なんぞには思いもつかないユーモアにあふれた処理の仕方で見る者を圧倒するものが。10本程度の線であんなに豊かな世界が描けるなんて。絵画仙人(by松本三和)という語はまさしく熊谷守一のために。ちょっと参った。