出展数がハンパないことを知っていたので駆け足で見る。断片的に考えさせられた部分についてのメモ。
全体の印象
- 20世紀美術の教科書みたいな展示。ただしアメリカ美術の作った物語に依拠する。
- これを常設している施設がないと話にならない。
1部を見ていてのメモ
- キュビスムの影響を受けた絵はモノからは意識がはなれる。
- 岸田劉生近辺の絵からは当時の日本の生活が見えるが、キュビスムもどきからはパリが透けて見える。
- しかし恩地孝四郎の絵にはなんともいえぬときめきがある。
- 坂本繁二郎の箱の絵とモランディが抜群に良かった。
- シュルレアリスムにかぶれた日本人画家の絵には不思議な魅力がある。特に北脇昇は。
- 物質を主題にした展覧会なので、チェンバレンがみたかった。色々事情はあるんでしょうけど。
2部
3章
- 田中功起くんの展示が一番良かった。フィッシェリ&ヴァイス的な語法を用いつつ、うまく日常の経験に近いところを突けていて、新鮮な感覚がある。あそこを見て逆に他の展示の「はったり感」について考えさせられた。
あと僕は純粋に「作者はモティーフと対峙し、そして作品を作る」という夢物語には興味がなくて、それぞれが与えられた文脈の中で誰から何を受け継ぎ、何を発明したかに興味があるので、「物質」とかやっぱよくわかんなかった。そいいうルールでしか美術館では展覧会は出来ないだろうから仕方ないとは思うけど。