「アートは心のためにある」展メモ

http://www.mori.art.museum/contents/art/index.html
展覧会ポスターに使われいてるボロフスキーのイメージに騙された。
机の並んだ展示室のイメージばかりピックアップされていたけれど、実際はペインティングと写真がひたすら充実した展覧会。あと、出品作家がウェブサイトに全部載っていない。ブライス・マーデンは線の作品への過渡期のもの、ギュンター・フェルグは4点組の大作。
フェルグの出品作は鉛の絵。木枠かパネルかはわからないけどキャンバスのかわりに鉛の板を張り、そのうえに単色でペイント、異なる2色のキャンバスを上下に二つ繋げて一点とし、それが田の字を描くように4点並べて壁掛け。シンプルなのだが、地が鉛であることによる変な発色と自重でのたわみができている。
それと並んでショーン・スカリーの大作。意外と仕事は薄いけどキャンバスの厚みは半端ない。
リヒターのアブストラクト・ビルドは1点。1983年なのでアブストラクトのなかでは初期の方、スクイーズ以外の描法も混じってる。油絵の具の顔料の色(カドミウム、ビリジアン、ウルトラマリン)は抽象的な色(赤、緑、青)と一致しないのに、リヒターの絵では油絵の具の物質感が消え、色として立ち上がって見える。最初からそうだったというわけではなく、展示もされていた都市の絵は「油絵」的な質がわりと強調されている。
ヴィヤ・セルミンズの宇宙の絵。画面の隅は塗り残し、フラットに塗り込んである部分の手間が強調され。
チャック・クロースは意外とブラッシュ・ストロークが強調されている。
ギルエルモ・クイッカは雑誌で見た「教会の平面図をキャンバスに描き写した絵」で気になっていた。今回はオペラハウスの座席図を描いたものとマットに地図を描いたもの。システミックな作家かと思っていたけど、濃淡のメリハリで画面にフォーカスをつくっていたりと巧い。
グルスキーがやたら多かったしルフもインパクト強いけどシュトルートのギミックのみえなさが一番すきだな。