ぼくにとっての美術というのは、作品を通じた個対個の伝えあいの連鎖です。

たとえば現状の救いはクレーの絵が私の理解を超えて描かれていること、マチスの絵がどうしようもなくうつくしいこと、若冲の絵の前に立っているときにおぼえるよろこび。

人が、生まれ、働き、子を作り、年をとり、死んでいく、それはとてもとても幸せなことだと認識したうえで。

一歩引いてみたとき、退屈と感じてしまうこのサイクルを超えて残すことができるものを形づくること。その超サイクルの連鎖に私なりの何かを加えてみたい。それだけです。