SNSの話

確か2007年でしたか、僕がTwitterをはじめたのは。その頃はやっている知人もほとんどおりませんでした。まだmixi組とか残ってましたからですかね。そんなTwitter、一度はじめてしばらく放置していましたが、半年くらいして戻ってみたらちょっとずつ楽しくなってきていました。
その頃みていて面白かったのは主に建築関係の方のTwitter上でのやりとりでした。意見や立場の異なる者が同じプラットフォーム上にいてやりとりすることもある状態というのは建築雑誌や単著から伝わる建築言説とはまた異なる雰囲気でして、飲み屋で隣の会話が面白いから聞き入っていたら建築家同士のガチやりとりだった、といった感じといえば伝わりますでしょうか。半分アンオフィシャルなものの方がつかみやすいし面白いということがよく分かる事例でした。

これを見ていた僕は、これは美術でもやったほうがいいよね、と思いました。そこでこういうのが向いてそうな友人知人にわざわざメールを送って薦めたりもしました。こういう操作が苦手な人のアカウントを僕が作って渡したりもしました。ブログに美術系アカウント一覧記事を書いてガイドみたいなこともしました。結果的にある程度の盛り上がりや出会いがあり、このときやったことって少しは意義があったんじゃないかなと思いますが、まあ、ぼくがいなくても自然に盛り上がったことでしょう。こういのって、流れですから。

Twitterが面白いのは、実際会ったことがないけど面白い人を見つけることができる事です。実名でも匿名でも構わない空間なので、学生かもしれない、おじいさんかもしれない、巨匠かもしれない。得体がしれないけど美術について書いていることが面白い人というのが沢山いるのです。しかも短文上では評論家として名前が知られている人よりこの得体の知れない人の方が良く作品が見えてるな、と思えることもあるわけです。身分や立場など関係なく、書く内容だけが全ての世界。そうやって色んな人を見つけて異なる意見が並ぶのを見るのが楽しかったのです。僕一人では見つけ得ない面白い展示情報、出版情報が入ってきたりもしましたし。
そしてそのうちにTwitter大流行になって友人らの参加も増えました。遠くにいてなかなか会えない友人らの様子を知ることができるというのもまた楽しいので、これはこれでいい状態だと思っています。
今はFacebookが流行ってきたりもして一時期の猫も杓子もTwitter、みたいな状態ではなくなっている感もありますが、僕自身はFacebookよりはTwitterのほうが好きだったりします。Facebookは意見や情報が内輪化し易いのと同時にあたらしく面白い人と出会ったというのはほとんどなくて、これに関してはTwitterのほうがまだまだ可能性が広いと思っています。
あと、最近はインスタグラムも楽しいですけどね。欧米の美術館・ギャラリーはいまかなりインスタグラムを活用している感があり、これについてはまた情報をまとめてみたい気もしています。