「アートセンターをひらく 第Ⅱ期」水戸芸術館現代美術センター

水戸芸術館 現代美術ギャラリーで開催される「アートセンターをひらく 第Ⅱ期」展に参加します。今年春に開催されていた「アートセンターをひらく 第Ⅰ期」ではアーティストが水戸芸術館 現代美術ギャラリーの展示室で滞在制作を行いました。今回はその時に制作に着手した新作による展覧会です。
私は組み替え可能な作品「再配置できる絵画」と、展示室のマケットをモチーフにした作品を制作しました。「再配置できる絵画」は私がかつて制作した作品の中に含まれていた要素「組み替え可能であること」を制作時間の拡張と捉え、これまでとは異なった形で展開した作品です。図書館で仕事をしていた経験、造型ワークショップ実施の経験、担当キュレーターとの対話、等などが反映されつつ、第Ⅰ期で実感した水戸芸術館の地元のお客さんの層の厚み、監視スタッフさんたちの優秀さへの信頼が生んだ作品で、このような形式で発表できるのはここだけになるのでは、思っています。
この機会に是非ご覧いただけると嬉しく思います。

アートセンターをひらく 第Ⅱ期

会場:水戸芸術館 現代美術ギャラリー
開催日:2019年10月26日(土)~2020年1月26日(日)
開催時間:9:30〜18:00(入場時間は17:30まで)
休館日:月曜日、11月5日(火)、年末年始(12月27日(金)~1月3日(金))、1月14日(火)*11月4日(月・振)、1月13日(月・祝)は開館
出品作家:呉 夏枝、ハロルド・オフェイ、砂連尾 理、末永史尚、潘 逸舟、毛利悠子、エマニュエル・レネ
入場料:一般 900円、高校生以下 無料

アートセンターをひらく 第Ⅱ期|現代美術ギャラリー|水戸芸術館

2020年に開館30周年を迎える水戸芸術館現代美術センターは、移り変わる社会の中で今アートセンターに求められる役割を探る企画「アートセンターをひらく」を2期に分けて実施しています。

2019年3月から5月にかけて行った第Ⅰ期では、アートセンターを「アートが生まれる場」と捉えなおし、ギャラリーをアーティストや来場者の「創作と対話」のために活用しました。第Ⅱ期では、展覧会を軸に、対話とさまざまな活動を育む場としてギャラリーをひらきます。

本展では、第Ⅰ期にて1カ月の滞在制作を行ったアーティスト6名が地域や当館をリサーチし、市民の協力を得て制作した新作を発表します。また、第Ⅰ期から継続中の砂連尾理による身体表現と対話のワークショップ「変身」の様子を公開します。

第Ⅰ期の会期中、カフェやパブリック・プログラムの会場と隣り合わせのギャラリーで行われたアーティストによる創作活動は、来館者と当センターとの関係性や地域住民との関わり合いの中で構築されました。また、展示空間での制作は、現場での実験や新たな挑戦をより身近にしたといえるでしょう。その創作行為が第Ⅱ期にて結実し、みなさんに対話を誘いかけます。

第Ⅰ期で好評を得た「ひらくカフェ」は、場所をワークショップ室に移して出現。さまざまな人々が思い思いに過ごし、出会い、活動できる場を設けます。作品をきっかけに対話や関わりが生まれ、次へとつながりうる社会的な場としてギャラリーをひらくことで、今求められるアートセンターの役割を実践的に探ります。

fuminao suenaga

末永史尚「再配置できる絵画」