高崎〜渋川

高崎市美術館で「あの風景を探しに美術館へ~ヨーロッパ・アメリカ・アジア…絵画旅日和~」展を観る。どんな展覧会か把握していなかったのですが、東京造形大学の卒業生の衣真一郎さんが出品していると聞いていたので朝イチで鑑賞したのでした。風景をテーマとした高崎市美術館の所蔵品でした。

並んでいるのはウェブサイトの告知文からコピペすると藤田嗣治香月泰男、木村忠太、パブロ・ピカソ、中村節也、山口薫、田中朝庸、磯辺行久、安井曾太郎前川千帆の作品。いわゆる巨匠画家は小さめの作品だったり版画だったりするので企画としてはギリギリ成り立つかどうか…といった感触ですが、磯辺行久の版画作品等、珍しい作品もありました。

https://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2022021300011/

そんな中で、地元のいわゆる公募団体展で活動されていた「洋画」分野の画家の作品も見ることになるのですが、久しぶりにそういった作品に向きあうと頭には「凡庸」の二文字が浮かぶわけです。林武的な厚塗り、安井曽太郎的な筆触、でもそれらを最初から超えることなどハナから考えてない上手い絵たち。自分が考える制作の目的と考え方が異なるので優劣の問題ではないと考えてみても「ふつうの絵だ」としか感じないこの感覚をどう処理してよいのかわからず、モヤモヤしながら見続けておりました。

ただ、この展示の最後には前述した衣真一郎さんの作品があったのでした。いわゆる上手い絵具の乗りはしていない、荒々しいけれども児童画のようなのびのびした線や遊び心のある構成で出来た作品は、洋画エピゴーネンの作品群と並ぶと良い意味で異質で、何か救われたような心持ちになりました。

 

高崎市美術館の同じ敷地にあった旧井上房一郎邸も見学。いい空間でした。

f:id:kachifu:20220505003421j:imagef:id:kachifu:20220505003435j:image

f:id:kachifu:20220505003445j:image

 

次にrin art associationで白川昌生「エネアデスのほうへ」展を観ました。既製品や廃材を構成して制作されたレリーフや彫刻による展覧会。いつも白川さんの作品を見て感じる「何故これらを自分は作品だと感じるのか」の謎はずっと解けないですね。素材のとり合わせは自然で、造形的に作り込むわけでもなく、でもあるまとまりを感じる、このバランス。なんでもないものを用い、最小限の所作で組み合わせ、「作品」が生まれる様は魔法みたいだなぁ、と思います。

f:id:kachifu:20220505004455j:imagef:id:kachifu:20220505004519j:image

エネアデスのほうへ | rin art association

 

渋川へ移動。駅前の味わい深い喫茶店「ルナ」で昼食。

のち、今回の遠征の一番の目的であったCONCEPT SPACEの「エルンスト カラメレ/村上友晴 − 40周年記念企画 −」を。現在「ギャラリーシマダ アーカイブ」に取り組んでいるのですが、エルンスト カラメレも村上友晴も、そのギャラリーシマダで個展を開催していたのです。特にカラメレの実作は見たこともなかったので、見逃すわけにはいきません。

EXHIBITION | CONCEPT SPACE

本展、村上友晴さんの紙を支持体にした作品が凄まじく良かったです。1980年代前半のものが多く、経年で状態が変わっていたりもしているようです。でもその変化もなんとも美しくて、作者は手を置いてからも40年の時間という画材を使って作り続けているんじゃなかろうか、とすら感じてしまいました。

オーナーの福田さんからも貴重なお話をたくさんうかがいました。もっと早くに来ておくべき場所でした。

 

ここまで来たら、とハラ・ミュージアム・アークで「雲をつかむ:原美術館/原六郎コレクション」展も観ました。品川の原美術館にあった建物一体型の宮島達男作品や奈良美智作品もお引越ししてました。展覧会としてはCONCEPT SPACEの体験のあとだと物足りなさも感じつつ。

帰路へ。よく晴れた一日でした。