「掛軸と絵画のミライ展」の意匠打合せ会

本日は東京都立中央・城北職業能力開発センター 板橋校で、6月に開催される「掛軸と絵画のミライ展」の意匠打合せ会に参加しました。
「掛軸と絵画のミライ展」とは東京の表具師さんの組合である江戸表具研究会「表粋会」さんの20周年を記念して企画された、藝大・美大生が掛軸のために絵を描き、表具師グループが仕立てるコラボレーションの展覧会です。応募した学生と教員が参加しています。私が講師を勤めている東京造形大学では大学院のプロジェクト科目として企画参加する形となりました。
他の藝大・美大では日本画学科がありその学生が参加しているのですが、東京造形大学は「絵画専攻」のみです。理念としては技法の種を問わない「絵画」を学ぶ場としての絵画専攻ではあるのですが、日本画に関しては1年の集中授業で一ヶ月程度基礎の基礎の基礎を確かめるのみ。そのため本企画を機に学生も教員も手探りで表具にできる作品=「巻ける」作品を学び制作していった、そんな一年だったと思います。その講義も昨年末に修了。私も1月に作品を提出しています。
すでに一度参加者全員が集まる機会があり、他校はやはりきちんとした軸にできる作品を制作する学生さんが集まっていたようです。しかしわれわれは現代美術寄りの絵画・版画を志向している学生が中心なものですから、最終的には巻く形にするための物理的な条件と表現の要素をどこで折り合いをつけるかの問題と向き合っていくこととなりました。しかしこれを経験したことで、素材に対してより深く知り、感覚が鋭くなる、そんな契機になったのではないかと思います。実際、博物館でみている表装された作品が出来ている仕組みを知ると見え方が全然変わってくるのです。本当に勉強になりました。
また、造形大の学生(と教員の)作品は表具師さんにとっては仕立てづらいものがほとんどだったように思います。ご苦労をおかけする担当の方には申し訳ないと思いつつ、これによって表装でできることの幅広さを見せることができるのであれば、それこそ「掛軸と絵画の今後」を感じることができるのではないか、と勝手に思っています。


表具師さんがどの作品を担当するかを決める会は先月開催されていたようです。当日どういう会話があったのか大変気になりますね…。


こちらは私の作品。今日既に裏打ちしていただいていました。
https://www.instagram.com/p/BfFSz_pnKi0/


これから作品がどのように仕立てられていくのか、本当に楽しみです。学生の作品、皆とてもいいんですよ。
展覧会は少し先なので、またあらためてお報せいたします。


江戸表具研究会「表粋会」20周年記念企画「掛軸と絵画のミライ展」
会期:2018年6月21日〜27日
会場:東京日本橋・田中八重洲画廊