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津田道子「映像と見ることとそのまわり」@CS-LAB

告知 報告

東京造形大学内のCSLABにて「映像と見ることとそのまわり」と題した 津田道子さんのレクチャーを開催しました。
本年度から絵画専攻の非常勤講師として大学でまた学生と接する機会を持っているのですが、学生の中に映像を用いた作品を制作する者もおり、また自分は制作していないわけで、これは一度僕自身も詳しい人のお話をうかがってみたいと思いしかもそれならばカメラの存在に自覚的な作品の多い津田さんが適任であろうと、CSLABに企画を持ち込みました。
本レクチャーは津田さんの学生時代の作品や失敗した作品、影響を受けたアーティストなど津田道子というアーティストが形成されたプロセスを辿るようなやや特異な内容となりました。学部時の作品にはアーティスト津田の作品に繋がる要素を持った作品が散見され、作品を知っていると本当に興味深いものがありました。例えば初っ端に紹介された彼女が学部1年のときに制作した作品は一見高所からみた夜景をトリミングした写真に見えるのですが、実は東京タワーから見える一区画の住宅密集地の一戸一戸にお願いしてある時間だけ電灯を消してもらい黒い円を描こうとしたもの(!)でした。これも凄いなと思うんですが、この現実操作の感覚はやはり六甲ミーツ・アートの機にグーグルの協力を得て制作されたグーグル・ストリートビュー上の作品「Picture Scroll View」にも感じていたりします。他にもいくつも現在の作品につながるもの、そうでないものを見せてもらうことで、今の津田さんの作品に感じる厚みが膨大な試行と失敗の数々の上にあることが実感できました。それと同時に、制作した時期の話もうかがえたことで津田さんが2000年代前半の「メディアアート」の波に影響を受け、機材の変化のタイミングとアーティストの出発点が重なっていたのだ、という世代的なことが明確に理解でき、その点でも興味深いものとなりました。
これは期待していたものと異なるかもしれないのですが、ひょっとしたら僕や津田さんの世代の映像を扱うアーティストと今の学生では映像メディアへの接し方は想像以上に異なるので、同じような思考では作品で扱えないのかも知れない、そんなことを考えはじめてもいます。

日時:2016年9月21日(水) 16:50〜
登壇:津田道子
会場:CSLAB

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