ナチュラルボーンミラクルズ

 


東京駅の駅ビルにある大丸ミュージアムへ。
パウル・クレー展―線と色彩―」を観る。


ぼくがうまれてはじめてじっくりと観た展覧会がじつは200点以上が集まった1993年のクレー大回顧展(観たのは山口県立美術館、bunkamura museumにも巡回)で、クレーの作品をまとめて見るのはそれ以来。前回はかなり自由な受験浪人時代で、ほとんど自学自習で絵を学んでいた頃。絵に関するものはなんでも吸収しようとしていたから、1枚1枚、くいつくように眺めていた。


今回の展覧会にはそのときに観た絵が多数展示。なんだか昔の日記をみているような懐かしさと恥ずかしさも。


しかしこうして12年ぶりにじっくり観るクレーの絵、やっぱりすごい。
限られた要素のなかでつくっているのに型におさまらず
タブローの常識的な制作、パッケージの方法を問い直しながら
1点1点、簡単に読み切れる意図に収斂していない

結果みれどもみれども答えの帰って来ない不思議な器をながめているような。


到達できそうもない高みの芸をこれでもかとみせられつづけ
ちょっと泣きそうになった。
すごいわ。


来週もいちどみようかな。