「ディーター・ラムスの時代」シンポメモ

パネリストはディーター・ラムス、向井周太郎、佐藤卓、コメンテーターとしてクラウス・クレムプ、司会は柏木博。
まずひとりずつの発表から。
向井周太郎氏は1950年代にウルム造形大に行った経験をもとに、ウルム造形大の状況、ブラウンの革新性、ラムスさんとの出会いなど1950年代とその後のドイツのデザインについての紹介と分析。当時の写真などもあってラムスさんが仕事を始める頃の状況が想像、理解できて興味深い。
クレムプ氏がコメントで補足したトップデザイナーによる製作ではなく、「チームでの製作」というタームも面白かった。トップデザイナーによる製作はその個人が居なくなったら継続できない、云々。
佐藤卓氏は何故か自作を振り返りつつブラウン好きでした、と繰り返す。コイツこのシンポのためには何も準備してねえな、と思いつつ。クレムプ氏は瓶の企画がいいねとコメント。やさしい…。
そしてラムス氏。10箇条の話、デザインの本質の話、これから重要になっていく環境の話。私的には内容云々よりも立ち振る舞いで充分でありました。ただ10箇条のところ、「革新的であること」というのは、気になり。
全員でお話。発表ではいまいちだった佐藤氏のナイス質問「ラムスさんはブラウンなど理解のある経営者と巡り会えたのでよかったかもしれないが、現代日本では現実的にはトップに理解のない企業がほどんど。どのようにしたらいいんだろう?」旨。しかしラムスはそんなことでは苦労したことがないので明確な答えはないのでした…。