朝早めに出発して、埼玉県東松山市にある原爆の図 丸木美術館へ。学生時代にお世話になった母袋先生の個展「母袋俊也 魂-身体 そして光 《ta・KK・ei》《TA・GEMBAKZU》」展を見る。全てに言及すると文字数がとんでもなくなってしまうのでメインの展示室の新作《TA・GEMBAKUZU》について。この作品は主に丸木夫妻の原爆の図連作の第3部《水》をモチーフにしていることが、同じ展示室に《水》のレプリカが展示されることで示されている。屏風であるが、フラットに壁に設置することでさらに強調されている。そしてモチーフにしているが、白地残しの部分と描画部分が極端に区分けされた母袋先生の描画スタイルで写されているので、元のイメージを部分的にマスキングしたような絵になっている。これにより元絵にあったイメージが抽出され、母子像がよりキリスト教宗教画のそれに見えたりしました。
また、これに元の絵とは異なる洋画的な人体描出の形式が合わさることによって、母袋先生が絵から読み取った、隠された形式やイメージを浮かび上がらせる効果を持つようになっていました。解釈しつつそれを示しつつ別の絵にし、元の文脈から切り離してより広い文脈の絵画形式との結びつきを強調するような作品となっていたのでした。
…などなど考えながら館を出てランチ迷子になっていたら、東京造形大の学生より連絡。修了展示の搬入時に作品破損とのこと。で、急遽大学に戻り、対応。