日記

自分の今の絵は「描く」より「塗る」で作られている。今日は塗る際に頭を使ったところの記録。
・顔料を水で溶き、アクリルメディウムを混ぜて作った自作絵具を用いている。市販のチューブ絵具の質感が好みでないのと、混色の思考が油彩画的になってしまうのを嫌っているのが主な理由。
・顔料は粒の重さや材料によって、水が馴染むもの、馴染まないものがある。チューブだと均質化されているが、手作りだとこの性質が強くなる。
・今日は絵の中で紫寄りの赤色を使おうと思った。基本はカドミウムレッド。暗めの紫であればそれにウルトラマリンブルーを混ぜて作るが、今回は明るめ。カドミウムレッドパープルは今持ってない。
・染料系のキクナリンレッドの顔料と白を混ぜることにする。ただ、この赤い染料系の顔料はとにかく水に馴染まない。そのままだと水に浮くホコリみたいになる。
・こんな時のためにある無水エタノールを使う。さらに分散剤を使う。だいぶ馴染む。
・感じた色に近くなったので塗る。感触は合ってる。しかし乾燥してくると、馴染みきってない顔料がダマになって浮いてくる。粒を指で触れると潰れて粉が出てくる。失敗。
・今塗った部分の粒の部分だけ軽くサンドペーパーで撫でて潰しきる。絵具はカドミウムレッドと顔料ペーストのキクナリンレッドで作り直す。最初からそうすれば良いじゃん、と思われるかもだけど、顔料ペーストだとどうしてもイメージよりはツヤが出てしまうので。
・失敗層はメディウムが足りてない感じだったので、修正層は気持ちメディウム多めで強くする。
・描きながら、ビニル感が強くなりそうなのを危惧する。もう少しメディウム弱くすべきだったか。
・乾燥を待つ。自作するかどうかに関係なく、アクリル絵具は塗り色と乾燥後の色がかなり異なる。
・乾かしてみたら許容範囲だった。読み通り、下の層が吸ってくれた気がする。ひとまずOKにする。