XYZ collectiveで「Outworks」Hana Miletić , Graham Kellyを見ました

巣鴨のXYZ collectiveで「Outworks」Hana Miletić , Graham Kellyを見ました。オランダ在住でビデオを扱うアーティストのグラハム・ケリーと、クロアチア・ベルギーで活動するテキスタイルを扱うアーティストのハナ・ミレティッチの2人展。展覧会タイトルは在宅ワークの意。
私は去年くらいにウェブ上で見かけたハナ・ミレティッチの仕事に興味を持っていたので、実作を見ることができる待望の展覧会でした。なので今回書くはミレティッチの作品についてのみ。

彼女は都市の綻びを補修するもの(テープやネットなど)に着目して写真を撮影し、それを元にその部分を少し古い編み機で対象を模した布作品を制作。それをさらに展示空間内でもとの高さに設置しています。
ミレティッチが見つけ出した補修要素への注目は、街は出来た次の瞬間から物理的には壊れ続けていること、人がそれをケアし続けることによって都市空間が成り立つことを気付かせます、というところまではまず書けるとして。
彼女が建造物や交通機関といった都市のハードウェアに対して人間的な、ミクロな手作業のケアが
行われることをモチーフにすることと、編みという現在の技術では非効率な手織り機で再現することがさらに重ね合わせられることが複雑な情緒を生んでいる気がしています。加えてそれが(ハードな)展示空間を、その色彩と質感、存在感によってアクティブにしていて、とてもユニークな味わいだと思いました。






Hana Miletić + Graham Kelly 「Outworks」

会期: 2024年8月24日(土)〜9月22日(日)
会場: XYZ collective
https://xyzcollective.jp/outworks/